VOICE OF LAKES #36 遠山向人ヘッドコーチ

今季のプレイオフブログ、最後を飾るのはVOICE OF LAKES36回目、遠山向人ヘッドコーチです。すでに来季の戦いは始まっている。そう言っても過言ではない、熱い言葉が次々と出てきました。
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Q.有明から1か月近くが経ちました。滋賀に戻ってから多くの方にも会われたと思いますが、初出場3位という今回の結果を改めてどう感じていますか。

A.滋賀に帰ってきてから沢山の方々に喜んで頂き、改めて我々の存在意義を再認識できました。我々の仕事は、基本的には大変で辛いことが大半であり、勝利ですら喜びよりも安堵感の方が圧倒的に強いです。その中で、我々はバスケットボールを通じて、滋賀の皆さんに面白さや感動を伝えることが目的であり、有明に進出し3位決定戦で勝利したことで、皆さんが喜んで頂けたことが、私にとって最も嬉しい瞬間でした。



Q.一方で、すでに2015-2016シーズンの開幕までは4か月を切っています。チームの指揮を執るヘッドコーチとしては、すでに来季に向けて頭はフル回転でしょうか。

A.そうですね、プレイオフ進出を逃したチームでは我々よりも1ヶ月以上も前から、プレイオフで敗れたチームも我々よりも2週間も早く、来季に向け準備できる時間が長いので、準備期間の長さという点では、すでに我々は遅れをとっています。今季はもうすでに過ぎ去ったことであり、次のシーズンの準備にフォーカスしなければなりません。

Q.レイクス1年目の今季、遠山HCは初年度から結果を出すことの難しさをよく口にされていました。一方、2年目となる来季は、遠山HCのチーム観を経験した選手も多く、昨季とは違ったチーム作りになると思います。HC自身のチーム作りのアプローチの仕方も少し変わるでしょうか。

A.昨シーズンとは異なる部分は必ずありますし、昨シーズンよりもより円滑にチーム作りが進められればと思っています。しかし、私は今も強く危機感を持っています。ウィナーズ・メンタリティが全く養われていなければ、同じことを伝え続けるでしょうし、ダメなものを2年目だからと容認することはできません。厳しさや丁寧さが欠けていればまた元通りですし、この1年で伝え続けてきたことがカルチャーとなってきていれば、次のステップに進むことができるでしょう。

　以前、外国籍選手がシーズンを終え帰国する際に、『この選手はちょっとダラしなかったな。来シーズンのオファーは難しいな』と思っていた選手は、見送りに来た日本人選手に「ゆっくり休もうぜ！バスケットなんてしないで沢山遊べよ！」と言って帰国していきました。

　一方、強豪校出身で優れたプログラムを受け素晴らしいキャリアがあったリーダー格の外国籍選手は、見送りの日本人選手に「オレは明日からトレーニングを開始する。皆も明日からトレーニングを始めるんだぞ！」と、日本人選手にこのオフで何に取り組むべきか、それぞれに伝えて帰国していきました。

　私は、有明に進出したことで満足してしまい、勝利してシーズンを終えたことで気が緩んでしまっていないか、心配しています。来季に向けチームにとって最も重要な事実は、『優勝できなかったこと』です。他チームの多くの選手達がすでにハードトレーニングを開始している中、レイクスの選手達も危機感を持って来期の準備をすでに始め、チーム始動日にどのチームよりも最も良い状態で会うことができれば、我々はより高いレベルに到達することができるでしょうし、私のアプローチの仕方も変わってきます。

Q.リーグ全体で見ますと、来季は外国籍選手に関する規定が変わります。契約できるのが最大3人、試合に出場できるのは全クォーターで2人までとなります。チーム作りもこれまでとは変わってきますでしょうか。

A.変わってくると思います。昨シーズンの2, 4Qのような外国籍選手が3人出場する時間帯の練習が不必要になり、全Qで同じ条件になりますので、よりクオリティーの高いバスケットが求められると思います。しかし、レイクスは昨シーズン1, 3Qに強いチームでしたので期待しています。また、私はマネージャー時代、当時のJBLで外国籍選手の全クォーター2人制を経験していますので、未知の領域に足を踏み入れる感覚はありません。

Q.来季は日本人選手にかかる比重が今まで以上に増しそうですね。

A.当然そうなりますし、どのチームも外国籍選手の獲得にユニークなアイディアが出てくると思います。そういった意味では不安はありませんが、例年以上に展望が読めないシーズンになりそうです。しかしながら、まずは日本人選手の活躍に大きく期待したいシーズンです。

　今季はどのチームとの対戦でも、基本的には岡田や加納は相手チームの選手よりも上回っていたケースが多かったです。しかし、日本人選手が多くプレーする次シーズンでは、より多くの日本人選手の働きと活躍が必要になります。どのチームもそう考えリクルートしているでしょう。

　レイクスでは、小林・溝口・鈴木の基本合意と、波多野の加入を発表しました。波多野は外国籍選手と戦える日本人選手としてラインナップに柔軟性をもたらせてくれ、またいくつかのポジションでイニシアチブを取れる可能性が大きいと期待しています。小林には、もっとスコアができる少し特別な能力がありますし、ディフェンス面でも小林が止めることのできないガードはいずれいなくなるでしょう。溝口・鈴木には、昨シーズンの岡田・加納レベルまでステップアップしてもらわなければなりません。この2人が、高確率のシュートと厳しいディフェンスを身に付けることができれば、レイクスは全く違った次元のチームに変わることができます。

　日本人選手のステップアップにはとても期待していますし、楽しみです。それぞれの選手が、自分に必要なことや取り組むべきことを理解していると思いますので、このオフ期間に自分を律してワークアウトに励み、チーム始動日にレベルアップした姿を見せてもらいたいと思っています。


Q.そして今季の結果を踏まえて、レイクスに足りない部分、あるいは来季さらに伸ばしていきたい部分はどう分析していますか。

A.上を目指せばきりの無いことですので色々とありますが、まずはこの時期ですから、個人個人がメンタル面でもフィジカル面でもスキル面でも、ステップアップしてもらいたいです。選手全員に「オレは誰よりもチームの為にハードにプレーできるぞ」「オレを出せばゲームに勝てるぞ」という姿勢とパフォーマンスを見せてもらいたいです。私に言われてやるのではなく、それぞれにそういう意識があれば、自然と競争心や危機感が生まれ、チームに良い影響をもたらし、チーム力がアップしていくと思います。

Q.では最後に、レイクスブースターの皆さんに来季に向けてのメッセージをお願いします。

A.山あり谷ありの昨シーズンでしたが、チームとブースターの皆様が最も結束しファイナルズへ進出できたのがレイクスだと思っています。チームとブースターの皆様が結束し、一つになればどんな相手でも勝てると証明できました。その気持ちはチームも皆様も同じページの上にあると思いますし、これはレイクスのみに与えられた特別な感覚だったはずです。それらは全て皆様の大きなご声援のお陰でした。

　今シーズンからどれほど成長して次シーズンを戦い抜けるか、私もとても楽しみにしています。TKbj最後のシーズン、必ず有明に戻り、忘れ物を取りに行きましょう。来シーズンもレイクスに大きなご声援をよろしくお願い致します。
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有明初出場、3位、これはまだまだ通過点。遠山HCの言葉からは、そんな気持ちがひしひしと伝わってきます。
2か月半にわたって更新してきましたプレイオフ特設ブログも、今回が最終回です。来たる2015-2016シーズンは、TKbjリーグとしての最後のシーズンになります。悲願のリーグ優勝、そして来年秋からの新リーグで1部参戦を目指す滋賀レイクスターズを、これからもどうぞ宜しくお願い致します！

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