VOICE OF LAKES #35 坂井信介代表兼GM(後編)

滋賀レイクスターズ

2015年06月13日 13:52

VOICE OF LAKES、35回目は坂井代表兼GMの後編です。来年秋からの新リーグ発足に向けた運営会社の取り組みが進むとともに、公益財団法人の取り組みも加速しています。
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Q.後編ではチーム運営状況と、気になる新リーグへの展望をお聞きします。まずは今季の運営状況の振り返りからお願いします。



A.今季もホームゲーム30試合で50583人もの方にご来場いただき、ブースタークラブ会員2719名様、スポンサー424社様(プレイオフ特別協賛170社、ファイナルズ特別協賛34社)、スクール会員はバスケットとチアで合計604名と、多くの方々に滋賀レイクスターズを支えていただきました。大変感謝しています。

 過去4期がプレイオフでの追加収益を得てギリギリの黒字であり、今年度(6月決算)はレギュラーシーズンのみでの黒字化を目標に掲げてきましたが、残念ながら過去4期と同様、プレイオフ収益込みで何とかギリギリ黒字にできそう、という決算に終わりそうです。1年で20%以上進行した円安による外国人選手の人件費増という外部要因はあったものの、目標としていたチケット売上げが前年レベルに終わりました。

 いち民間企業として考えた場合、滋賀レイクスターズの収益性はまだまだ十分とは言えません。新リーグ(仮称:JPBL)では財務監査が厳しくなりますし、クラブライセンス制度が導入される予定なので、財務状況が悪化した際には降格やリーグ戦参戦資格を失うこともあり得ます。

 幸い、有明ファイナルズ初進出や昨今の新リーグ報道によって、かつてないレベルでレイクスへの応援機運が盛り上がっています。来シーズンは何としても、収益性を向上させた上で新リーグに対応できるように努力していきます。

Q.その2016年秋からの新リーグへ向けての展望、気になる草津の新アリーナ、1部審査通過の可能性はいかがでしょうか?



A.3月17日のタスクフォース川淵三郎チェアマン(現JBA:日本バスケットボール協会会長)の来県、三日月県知事や橋川草津市長との表敬訪問を皮切りに、新リーグへの入会申請、運営状況の書類提出、ヒアリング審査など、新リーグに向けての準備が進んできました。皆さまからも1部入りに向けて19,404人分もの署名を頂き、改めて御礼申し上げます。レイクスはこれまでの運営・活動実績が高く評価されており、草津市野村公園で建て替えが計画されており、レイクスが使用予定である新アリーナの収容人数を、現計画の3000人強から5000人前後に拡大してホームアリーナとできれば、1部審査の通過可能性は限りなく高まります。



Q.新リーグ関連の今後のスケジュールはいかがでしょうか。

A.アリーナ関連計画やその他のサポートを盛り込んだ支援文書を滋賀県、草津市から6月末までに提出いただき、タスクフォースの最終審査を受ける形になります。初年度は12~16チームとされている1部リーグのチームは7月末に発表される予定ですが、最終の何枠かは、継続審査の上で8月以降の最終判断になるとも聞いています。

 レイクスの1部入りについては前述通り、草津市の新アリーナの5000人化次第という状況ですが、この新アリーナは草津市営施設として10年単位で進んできた計画であり、基礎設計もすでに終わっております。今回、求められている5000人規模への増席には基礎設計の根本変更、拡大化に伴う県からの財政支援が必要とされる中、これまでに三日月知事などから前向きに検討する旨のコメントが発表され、県の関係部署間で支援検討のための特別チームを作っていただきました。通常、1~2年単位の議論過程が必要なところ、短期間の協議で県からの支援決定を目指して議論していただいています。

 ただし、3月の川淵チェアマンの来県から、6月末の文書提出という非常に限られた時間内では、県行政の正式決定に必要な議論過程としては不十分な面もあり、文書提出時点で5000人化に関する文言を確定レベルで入れるのは難しいとされています。よって、県行政において正式決定に必要な議論、プロセスを今後進めていく旨を盛り込んだ文書としていただけるよう、お願いしていきたいと考えています。

 今後一定期間内に、草津新アリーナの5000人化を前向きに進めるという姿勢が伝われば、タスクフォースでの1部入り審査でも評価されると期待します。

 また、草津市からは、現在の基本設計内でも、座席のレイアウト変更によって3000人からある程度の増席は可能との回答を頂いておりますので、実際にどの程度の増席が可能であるかを示していただき、タスクフォースには

①県支援による5000人化 
②草津市の現基本計画3000人からの座席レイアウト変更による増席


の以上2案をもって1部審査を依頼していく考えです。

 初年度から1部に参戦できるよう、関係者の皆様にご協力をお願いすると共に、われわれとしましてもご支援に対して中長期ベースでどのように応えられるかを考え、永続的に市民県民の皆さんに貢献できるチームでなければならないと考えております。



Q.1部入りに向け、県の財政支援や草津市の協力以外にハードルはありますか。レイクスが草津市民体育館をホームアリーナとした場合に、市民の利用機会が制限されるのではないかという懸念の声も上がっているようですが。

A.確かに、タスクフォースからは5000人というホームアリーナ基準と合わせて、ホームゲームの80%以上をホームアリーナで開催するよう求められています。レギュラーシーズンは毎年10月から翌年4月までの7か月間、およそ30週末の期間中に12週末前後を、ホームアリーナで開催する計画になります。

 7ヶ月間、隔週でずっとという訳ではないものの、多くの週末で市営施設を使わせていただくことになりますし、われわれ同様に新アリーナを使用予定とされている各種団体の皆様との調整は欠かせないと考えております。

 ただ、これまでも我々は県内各地の公共の施設をお借りしてホームゲームを開催しており、いずれの開催地においても各自治体や使用団体の方々と協議して試合日程を設定してきました。草津市の新アリーナをホームアリーナとする際にも、各団体の皆様と綿密なコミュニケーションをとっていきたいと考えておりますし、どうしても週末利用の調整がつかない場合は、週末を避けての平日開催や、体育館の繁忙期を避けた年末年始などの開催も視野に入れております。

 いずれにせよ、開催地の皆様によかったと思っていただけるような興行開催に努めるのが大前提です。

Q.こうしてレイクスが注力している新リーグの1部入りについて、改めてその意義を教えていただけますか。

A.今回、県や市に要請しているアリーナの増席など、リーグの規模拡大ともに関係各所にお願いする部分は大きくなります。しかし、これからリーグが統一され、日本代表の強化も含めて大きく発展しようとしている新リーグにおいて、初年度から1部でレイクスが戦っていくことは、滋賀県のシンボルとしての情報発信、青少年の健全育成、若年層の定住に向けたコンテンツとしての役割、他、多様な波及効果など、様々な面で地域貢献が果たせると考えております。大都市圏以外のチームが全国の強豪と伍して競うのは、地域創生という方針、「文化とスポーツの10年」という県の方針にも添うものであり、長期にわたって滋賀県全体に貢献できるはずです。

Q.初年度から1部でなくてもいいのでは、という意見もあります。



A.先月、われわれが出場した東京・有明コロシアムでのファイナルズで、リーグ覇者を決める決勝戦(ファイナル)には1万人が詰めかけ、満員になりました。こうした注目度がさらに膨らむ可能性のある新リーグには、大きな可能性があります。

 1993年のJリーグ創設初年度の盛り上がりを思い出していただきたいのですが、新しいリーグというのはスタート時に大きな注目を集めます。今回の新リーグにおいても、川淵三郎氏という非常に知名度のある方が創設のトップに立ち、2016年秋の開幕時に大きな話題となるよう準備が進んでいます。全国的な露出度も高まるリーグにおいて、初年度から1部で戦うのは大きなメリットがあります。中長期レベルの安定活動、運営健全化においても初年度の1部メンバーに入ることが重要かと考えます。

Q.先ほど、長期にわたる滋賀県への貢献というお話がありましたが、レイクスでは県内のスポーツ振興を目的とした公益財団事業も順調に続いていますね。



A.はい、公益財団法人滋賀レイクスターズも4月から4期目に入っています。所属選手は我孫子智美選手(陸上女子棒高跳びロンドン五輪代表、草津市出身)に新海真美選手(女子レスリング全日本優勝3回、日野町出身)も加わり、大学生世代のサポートアスリートも7種目8人に上ります。個人、法人の皆さまから計約1000万円の寄付を頂き、「レイクス・スポーツファンド」として遠征などの競技活動費や各種団体の大会開催費の補助を行っています。また、県内のスポーツに関する話題を集めた月刊無料情報誌「レイクスマガジン」も発行し、広告収入の一部をアスリート支援に活用しております。

 企業チームの活動停止などが続く中、アスリート支援のための新しい仕組みを作りたいという思いで立ち上げた当ファンドですが、当初はまったくの手探りでした。ただ、活動が徐々に認知され、支援の輪は着実に広がっています。




 また、ここ2年はtotoの助成金を利用しての多くの競技で指導者派遣事業を行ってきました。この4月からは、未就学児や小学生を対象としたレスリングの通年スクールを草津市で開講し、今後、別競技でもこうした定期スクールの開講を検討しております。まずはジュニア世代を皮切りに、次第に指導体制の整備と共に中学生以降にも対象を広げ、地域のスポーツクラブとしての新しいモデルを提示しながら永続的に、滋賀県のスポーツ振興、強化に貢献していきたいと考えています。

Q.滋賀レイクスターズの商号で、営利事業を行う株式会社と、非営利事業を行う公益財団という、異なる性格の2法人を運営するというのは、スポーツ界では珍しいと思うのですが、どうしてこのような事業を行っているのでしょうか。

A.法人としては2つに分かれていますが、スポーツを通して滋賀県に貢献するという理念は同じあり、スポーツを通じて滋賀県全体に活力、喜びを提供していきたいと考えています。われわれ滋賀レイクスターズが掲げるスローガンはOne for Lakes, All for Shigaであり、バスケットだけではない、地域全体への貢献を表現したものです。レイクスの名のもとに、スポーツを通じて地域社会に貢献していきたいと思います。

Q.なるほど。では、最後に今季の締めくくりにあたってのメッセージをお願いします。

A.皆さまのご支援、ご声援のおかげで7シーズン目を無事終えることができました。ありがとうございました。新リーグという大きな転機を迎え、各方面にこれまで以上にお願いをすることも多くなっておりますが、バスケットボールと共に他種目も含め、トータルで滋賀に貢献できる組織でありたいと考えております。来季も変わらぬご支援ご声援をどうぞ宜しくお願い致します。
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大きな転機を迎えたバスケットボール界で、レイクスも大きく飛躍すべく、代表坂井のもと、スタッフ一丸で取り組んでおります。来季も皆様の熱い後押しをどうぞ宜しくお願い致します。
そして次回はいよいよ最終回。レイクス2季目となる遠山向人ヘッドコーチに、新シーズンの展望や意気込みを伺います!

☆ファイナルズ特別協賛パートナー☆


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(過去最多170社)



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